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書いてる人。

これは果たしてブログと呼ぶのか、どうか?
By Shi-Shi/WNPZ

●つぶろぐかころぐ
2009年8月~
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Chapter.4



4.1
あたしん家に家族が増えた。
森で助けたラヒの子供だ。

名前は「ホア・ロハ」。名付け親はあたし。
このホア・ロハっていうのは、古い言葉で「親友」って意味らしい。
飛びっきり素敵な名前を…と思って、
(普段は縁のない)辞書をひきながら、一晩 悩んで考えたんだ。

4.2
その日あたしは、いつものように森を駆け回って、
オオサワガニ(ザワル・ジャガニ)に ちょっかいを出したり、
高台から でっかいヤンマ(ボルト・ラム)に飛び乗ったりして遊んでいた。

ラヒが狂暴化してるから、村の外で遊んじゃダメだ、
森に近付いちゃダメだ、ってみんなは言う。
おじいちゃん…ツラガ シ・シに至っては、
何か良からぬ事が起きる予兆だーなんて大袈裟に騒いでる。
フィカルもジンもそれを真に受けちゃって、剣の稽古に余念がない。
あたしはというと、稽古をこっそり抜け出しては、
こうやって、飛び回って遊んでいる。
フィカルやジンにお説教されるけど、楽しいからやめらんないよ。

4.3
ヤンマの背中から、森を見下ろす。
ごくごく普通。以前と何も変わらない。
少なくとも、目で見る限りはそう感じる。
…でも何か、変な感じ…。

悪い事の前触れ…
確かに、そういう予感は感じる。
事実、村で飼われている大人しいラヒが突然暴れ出して、
人間に怪我を負わせる…なんてことも最近は少なくない。
この前も、パナ・ハナのピピが大暴れして大変だった。
嫌な事件も多くなった気がする。
目には見えない何かが起こってる…とか?

…やめやめ。色々 考えていたら、ちょっと不安になってきた。

ヤンマの、羽根の付け根を小突く。
こうすると、ヤンマは陸に下りるんだ。
ヤンマは、森の中の開けた一角、原っぱのようなところを目指して降下する。
そして、グライダーのように軟着陸。
揺れる揺れる。凄く揺れる。
乱暴な着地だなあと、いつも思う。

背中に取り付いた「お荷物」から開放された彼は、
迷惑そうな顔であたしを一瞥すると、再び飛び立った。
それを、手を振って見送る。

さて、次は何をしようか?
…そうだ、今度はレゴクイ(シデ・クイナ)の巣穴を見に行ってみよう。
踵を返して駆け出した。

4.4
レゴクイの観察にも飽き、
遊び疲れたあたしは、草原に寝そべって空を眺めていた。
雲一つない、青空。これでそよ風でも吹いていたら、最高なんだけど…
そんな事を考えながら うとうと していたときだった。
何処かから、甲高い鳴き声…悲鳴のようなものが聞こえた。
跳ねるように起き上がり、思わず、声の方へ走り出す。
そう遠くはない。

森を抜け視界が開けると、二頭のラヒが目に入った。
小さな白いラヒが、大きなラヒ…マティ・マキリに襲われている。
あの目…!
あれは普通の目じゃない。
狂暴化して、村で暴れたラヒと同じ目だ。

あたしは咄嗟に、剣に手を掛ける。
が、一瞬、迷う。
ラヒにはラヒの、弱肉強食の世界がある。
その営みに手を出すことに、あたしは迷ったのだ。
だからって、あの白いラヒを見捨てることも憚られた。
身勝手かもしれないけど、寝覚めが悪いのはやっぱり嫌だ。

…そもそもあれは「自然の営み」か?
マティ・マキリの動きは、
「捕食」ではなく、「殺めること」が目的に思えるものだった。
…というか、何かに「動かされている」感じを受ける。

逡巡ののち、柄から手を離す。
そして結局、我慢できずに飛び掛かかり、蹴りを放った。
手応えあり。クリーンヒットだ。
怒ったマティ・マキリが突進を放つ。
あたしは それを、最小限の動きでいなす。
自慢じゃないけど、素早さだけならジンにだって負けてない。
一発、二発。
相手の攻撃をかわしつつ、蹴りを急所に叩き込む。
以前、マティ・マキリの縄張りに迷い込んで、ひどい目にあったことがある。
おかげで、こいつの弱点はよーく知っているんだ。
毎日の森遊びも、意外と無駄じゃないのかもしれない。

4.5
マティ・マキリを追い返したあたしは、
白いラヒのもとへと駆け寄った。
…ぴくりとも動かない。

恐る恐る顔を覗き込む。
…よかった!息はある!
安心したあたしは、ラヒの姿をまじまじと眺めてみた。

何という種類だろう。始めてみるラヒだ。
白い体色ってのも珍しい。
じっと目を見る。敵意は全く感じない。

手を差し伸べ自己紹介をすると、その子は大きな声で返事をした。
もちろん、言葉を喋った訳じゃあないけど、
あたしには「よろしく」と言ったのが解った。不思議だ。

4.6
村に着くと、辺りはもう真っ暗。
もちろん あたしは、おじいちゃんとフィカルとジンに、こっ酷く叱られた。
そんな、三人掛かりで怒らなくてもいいのに…。
流石にちょっと落ち込む。

そして、あたしの後ろに隠れていた白いラヒを見つけると、
今度は村のみんなが怒り出す。
村に、得体の知れないラヒを住まわせるなんて危険だ、って。

みんなに悪気がないのは解ってる。
狂暴化してない野生のラヒもいる…ってのを、みんなは知らないんだ。

大人たちが大反対する中、おじいちゃんだけは、
この子を家族に迎え入れることを許してくれた。
ツラガの一声で村のみんなも、渋々 了承してくれたみたい。
実は凄い人なんだな、おじいちゃんって…。

…そういえば、あたしとジンがこの村にやって来たときも、
あたしたちをココに住まわせることに反対するみんなを、
おじいちゃんが説得してくれたらしい。
思わず、この子と自分の境遇を、ちょびっとだけ重ねてみたりする。
何だか、ますます愛着が沸いてきた。
色もあたしとお揃いだし。

4.7
そういった訳で、あたしん家に家族が増えた。
少しづつだけど、村にも馴染み始めてるようで一安心だ。
フィカルも最初は反対してたクセに、何だかんだで可愛がっている。
レトトやアルクにも、とてもよく懐いてるみたい。

空を見上げる。一面、真っ青。
相変わらず風はないけど、気持ちいい。

遠くで、あたしを探す声が聞こえる。
こっそりと稽古を抜け出したあたしは、今日も森へと向かう。
親友と、一緒に。



註釈:
ザワル・ジャガニ/Zawal Jagani
水質のよい湖や川などに生息するラヒ。
個体差が大きく、大小さまざまな
サイズのものが存在する(成長途中という説もある)。
生息地によって体色にバリエーションがあり、
中でも美しいものは、装飾品の材料として需要がある。
ジャ・ケラス/Ja Kerasと呼ばれることもある。美味。

ボルト・ラム/Bolt Rama
大空を自在に飛び回る、巨大なラヒ。
肉食であるが、言うほど狂暴という訳ではない。
幼生期を水中で過ごすと言われているが、詳しいことは解っていない。

ピピ/PIPI
家畜として飼われている大型のラヒ。
性質は温和で臆病。
マトランたちの言うことをよく聞くが、
一度暴れ出すと手をつけられなくなる。

シデ・クイナ/Side Quina
森の分解者。
他の機械生命体の残骸を栄養とする生物で、いわゆる死肉漁りである。
強靭な消化器官(機関)をもっているが、
非常に鈍重で、捕食者の餌食となることも少なくない。
食べた者の談によると、決して美味ではないらしい。

マティ・マキリ/Mati Makili
肉食のラヒで、縄張り意識が強い。
テリトリーを荒らす者には容赦しない。
ただ、余程の空腹でもなければ、
威嚇をして、侵入者を追い出すだけの場合が多い。

パナ・ハナ/Pana Hana
酪農を生業とする小柄なマトラン。
早口で落ち着きがなく、少々 変わった性格をしているが、
人懐っこいため人気者である。
ピピを自在に誘導する技術をもっているが、
最近では、ピピの原因不明の暴走に頭を悩ませているらしい。

レトト/letoto
ビオラとは同い年の女性マトランで、二人は大変仲が良い。
最近、ラヒ退治のため家を空けがちなビオラに代わって、
ホア・ロハの世話をすることも多い。

アルク/ark
数年前、兄ハートとともにセ・イギ村にやって来た若いトーア。
行方不明となった兄の安否を気にかけているが、
それを表面には出さず、明るく振る舞う気丈な少年である。
生き物全般が好きらしく、ホア・ロハも彼にはよく懐いている。




という訳で、ネズミニクルこと、ホア・ロハ(幼態)でした。
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以前、取り敢えず画像だけを掲載したこのネズミですが、
ようやっと、設定というか妄想文をアップできました。

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こやつが後にポケモンばりに進化して、
先日アップしたホア・ロハになるって寸法ですよ!

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自分的に、あちらのホア・ロハをアップしてから、
こちらのホア・ロハをアップしたかったんですよね。ギミック的に。
そんな訳で、かなりタイムスパンの長いネタになってしまいました(笑)。
何せホア・ロハ(成態)の製作が一年以上前ですからねー。
ネタを温めていた期間もあわせると、かなり時間かかってるなあ…^^;

無者さんのアドバイスをもとに、鼻面にTBを付けたバージョンもあったんですが、
角タイプも捨て難く、結果的に、こんな感じになりました。
というか、ネズミ如きにTBを消費したくなかったのもありますけどね!

そうそう、タイトルのhouse mouseってのは、二十日鼠のことだそうです。
ホア・ロハの姿形がハツカネズミ
(というか実験用のアルビノマウス)っぽいから、ってのもありますが、
実は、銀河ヒッチハイクガイド的意味も込めてあります。
あの、二十日鼠は、我々の三次元世界に、
汎次元生命体が突出した部分だーってヤツです(笑)。

また、どうでもイイ話ではあるんですが、
レゴクイっていうネーミングが、我ながら安直過ぎて気に入っています(笑)。
話の展開上 即興で考えたラヒなんですけど、何か妙にイイ響きです、レゴクイ。

でー、最近、何かにつけてアップしている変な長文も、
遂に2、3、4と揃ってきました。
順番に読んでみると、おぼろげながら、
話の筋が見えてくるんではないかな、と。
近いうちに、1もアップできるとイイなあ、と思ってます。

いやーしかし、楽しいですねえ自己満足!
無意味に伏線張ったり、もったいぶった順序でアップするの楽しいなあ!(笑)
2010/08/21修正
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by wnpz | 2008-07-19 05:10 | 玩具全般
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